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探査衛星リュウグウが持ち帰ったアミノ酸は、地球上の生物と同じものもあれば、異なるものもあるそうですが何が違っている

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アミノ酸とは、たんぱく質を作る物質で、私たちの体にとってとても大切なものです。アミノ酸にはたくさんの種類がありますが、地球上の生物は20種類のアミノ酸でたんぱく質を作っています。

探査衛星リュウグウは、小惑星リュウグウから石や砂を採取して地球に持ち帰りました。その中には、アミノ酸が23種類見つかりました。 その中には、地球上の生物が使っているアミノ酸もありましたが、使っていないアミノ酸もありました。

では、地球上の生物とリュウグウのアミノ酸は何が違うのでしょうか? それは、アミノ酸の**立体構造**です。立体構造とは、物質がどんな形をしているかということです。アミノ酸には、同じ種類でも**右手型**と**左手型**という二つの立体構造があります。右手と左手は同じように見えますが、重ね合わせると一致しないように、右手型と左手型のアミノ酸も重ね合わせると一致しません。

地球上の生物は、ほとんど左手型のアミノ酸しか使っていません。でも、リュウグウのアミノ酸は、右手型と左手型がほぼ同じ数でした。 これは、地球上の生物とリュウグウのアミノ酸が別々に作られたことを示しています。

では、なぜ地球上の生物は左手型のアミノ酸しか使わないのでしょうか? それはまだわかっていません。もしかしたら、宇宙から来た小惑星や彗星(すいせい)が地球に水やアミノ酸を運んできて、それが生命の材料になったかもしれません。 でも、その場合でもなぜ左手型だけになったのかは謎です。

リュウグウから持ち帰られたアミノ酸は、私たちにとって新しい発見です。これからもっと詳しく分析することで、生命の起源や宇宙の歴史について知ることができるかもしれません。

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