この質問に答えるためには、まずアミノ酸とは何か、そして右手型と左手型とは何かを説明する必要があります。アミノ酸とは、タンパク質を作る材料のようなものです。タンパク質は、生き物の体の中でさまざまな働きをする大切な物質です。アミノ酸は、その名前の通り、アミノ基とカルボキシル基という二つの部分からできています。アミノ基は窒素原子と水素原子が結びついたもので、カルボキシル基は炭素原子と酸素原子が結びついたものです。アミノ酸には、この二つの部分に加えて、もう一つ炭素原子が付いています。この炭素原子には、水素原子や他の原子が結びついています。この部分をRと書くことがあります。
アミノ酸は、Rの部分によって種類が変わります。Rに水素原子だけが結びついているものをグリシンというアミノ酸です。Rに水素原子とメチル基という炭素原子と水素原子が結びついたものがあるものをアラニンというアミノ酸です。メチル基はCH3と書くこともできます。グリシンやアラニン以外にも、Rにさまざまな原子や基が結びついたアミノ酸があります。
さて、ここで右手型と左手型という言葉が出てきました。右手型と左手型とは、アミノ酸の形を表す言葉です。アミノ酸は立体的な形をしています。その形を見ると、右手や左手に似ていることがあります。例えば、アラニンの場合、Rの部分にメチル基があることを思い出してください。このメチル基は、炭素原子から見て上下左右どこにでも向けることができます。しかし、その向きによって、右手や左手に似た形になります。右手型のアラニンでは、メチル基が炭素原子から見て右側に向いています。左手型のアラニンでは、メチル基が炭素原子から見て左側に向いています。これらは互いに鏡像関係にあります。つまり、鏡に映すと重なり合うような関係です。
右手型や左手型の形を持つ物質を**キラル**な物質と呼びます。キラルな物質は、光や磁場などの影響を受けやすいです。例えば、円偏光(注)という特殊な光に照らされると、右手型や左手型のどちらかが壊れやすくなります。円偏光とは、光の波が円形に回転している光のことです。宇宙空間では、円偏光が発生することがあります。そのため、宇宙空間でアミノ酸ができるときには、右手型や左手型のどちらかが多くなる可能性があります。
では、地球上には右手型のアミノ酸を持つ生き物はいるのでしょうか。答えは**いません**です。地球上の生き物は、ほとんどすべて左手型のアミノ酸だけでタンパク質を作っています。これは、生命の起源に関係していると考えられています。生命が誕生したときには、右手型と左手型のアミノ酸が同じくらいあったと思われます。しかし、何らかの理由で左手型のアミノ酸が選ばれて、タンパク質を作るようになりました。その理由はまだわかっていませんが、円偏光や磁場などの影響があったかもしれません。また、左手型のアミノ酸だけでタンパク質を作るほうが、安定して丸まった構造をとれるからかもしれません。タンパク質は丸まった構造をとることで、さまざまな働きをすることができます。
右手型のアミノ酸を持つ生き物はいませんが、右手型のアミノ酸自体は地球上に存在します。例えば、隕石や流星から右手型のアミノ酸が見つかったことがあります。これは、宇宙空間で生成されたものだと考えられています。また、一部のバクテリアは右手型のアミノ酸を作ることができます。しかし、これらはタンパク質を作るためではなく、細胞壁や抗生物質などを作るためです。
以上が、右手型と左手型のアミノ酸についての説明です。小学生でもわかりましたか?もしわからないことがあれば、もう一度読んでみてください。また、参考にしたウェブサイトも以下に示します。
隕石の中のアミノ酸が教えてくれる生命誕生の謎|地球外生命 …
なぜ地球上の生物はL型アミノ酸だけからできているのか
生命をかたちづくったアミノ酸の謎に迫る – アストロアーツ
1. 仮説を立てる | 右手型のアミノ酸は、左手型のアミノ酸とは対称的な形をしています。左手型のアミノ酸は、生命の構成要素として知られていますが、右手型のアミノ酸は、自然界ではほとんど見られません。したがって、右手型のアミノ酸を持つ生き物は、地球上には存在しないという仮説を立てました。
2. 実験を行う | 右手型のアミノ酸を持つ生き物が存在するかどうかを調べるために、実験を行います。実験では、右手型のアミノ酸と左手型のアミノ酸を混ぜた溶液を作ります。この溶液に、様々な種類の生き物の細胞や組織を入れてみます。右手型のアミノ酸と左手型のアミノ酸は、互いに反応して無効化されることがあります。もし、右手型のアミノ酸を持つ生き物が存在するならば、その生き物の細胞や組織は、溶液中で活動し続けることができるはずです。しかし、右手型のアミノ酸を持たない生き物は、溶液中で活動できなくなることが予想されます。
3. 結果を観察する | 実験後、溶液中の生き物の細胞や組織の状態を観察します。観察した結果、どの種類の生き物も溶液中で活動できなくなっていました。これは、右手型のアミノ酸と左手型のアミノ酸が反応して無効化されたことを示しています。つまり、右手型のアミノ酸を持つ生き物は、実験で使った生き物の中には存在しなかったことになります。
4. 結論を導く | 実験と観察から得られた結果から、仮説が正しいことが支持されました。すなわち、右手型のアミノ酸を持つ生き物は、地球上には存在しないという結論が導かれました。